1.月光ソワレ (instrument)
2.紅い睡蓮の午後
作詞:ARIKA TAKARANO
作曲:MIKIYA KATAKURA
水の面の かがやきを
波が弧を描き そっと散らすよ
睡蓮が 閉じる頃
甘い微睡みに 誘われてく
青き沼で 時が止まる
濡れた足音 私は聞いたの
その人は 碧の瞳
水に染められた ふたつの硝子
引き込まれ 墜ちてゆく
まるで藻のように 冷たく絡む
なにも怖い ことはないわ
濡れた指先 やさしく滑るの
からだが透き通る
流されてゆくみたい
ニンフェアよ
つぼみは眠れない
波が強くて
目が覚めても 残る響き
これは切なく 甘い悪夢なの
沼地が溶けてゆく
午後の日溜まりに
ニンフェアの
花が咲いていたわ
ただひとつだけ
赤い赤い
3.プラトニック
作詞:宝野アリカ
作編曲:片倉三起也
指先触れる 場所に咲く
花ならそのままで 愛でるもの
香りを深く
記憶に沈め
恋という
花ならば
なおさら
何気なく言葉 かけても
こころでは 歌いつづけてる
あなたの名前を
美しく哀しい
一編の詩のように
何も望まず 夢も見ず
それでも満ち足りる
日々がある
暗がりさえも
黄金の蜜
甘い声
その奥に
閉じ込め
さりげなく笑顔 向けても
こころでは 見つめつづけてる
あなたの瞳を
愛に描かれた
一枚の絵のように
生まれた瞬間から
行き場のない 想いは
薔薇色の灰に
なるでしょう
幕が下りるまで
私は気のふれた
赤い靴はいた踊り子
いつまでも あなたを感じて
ひとりのまま舞うのよ
4.ナルシス・ノワール
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
あなたは兄さまの友達 白い頬をした少年
わたし憧れていたの たとえどんなに邪魔にされても
茨の庭を追いかけたけれど あなたの瞳にはいつも兄さまが 映ってた
扉の陰から抱き合うふたりをはじめて見たとき とても綺麗で胸が騒いだ
ナルシス・ノワール 何も知らぬ少女の日の初恋よ
ナルシス・ノワール 今もあまいあなたの声が聞こえる
ある日兄さまは家を出て あなたも二度と来なかった
母さまは嘆き悲しみ 家には灯もともらない
大人になるまで知らずにいたわ 町外れの湖にふたりは 沈んだと
神に背いた愛の報いだと 人々は囁くけど わたしは目を閉じるだけ
ナルシス・ノワール 湖のほとり そっと咲いた水仙は
ナルシス・ノワール ああどんなにあやしく香ったでしょう
ナルシス・ノワール あれからわたし どんな男も愛せない
ナルシス・ノワール 今も変わらぬ あなたの姿が見える
ナルシス・ノワール 何も知らぬ 少女の日の初恋よ
ナルシス・ノワール 今もあまいあなたの声が聞こえる
5.桜の花は狂い咲き
作詞:ARIKA TAKARANO
作曲:MIKIYA KATAKURA
桜の花は 狂い咲き
春告げ鳥は 狂い啼き
人形遊びの 日は暮れて
くれない燃ゆる 瞳の奥に
何を映して 涙する
遠いお国の異人さん
あの日の船を待っている
桜の花は 狂い咲き
桃園楼に 春が来る
朧月夜は 手鏡に
覗いた顔は 蒼ざめる
明日の夢は 誰の夢
ひとり地獄を彷徨って
遠い昔を思い出す
夜通し続く 春嵐
霞む夜空に 花は散る
桜の花に 埋もれて
死ねるのならば この世には
何の未練もないけれど
桜の花は 狂い咲き
春告げ鳥は 狂い啼き
やがて私は 散り急ぐ
薄墨色の春に泣く 春に泣く
6.コッペリアの柩
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
黒い太陽が
沈まぬ街で
誰もが黙って
奇術めき働く
金属の壁に
囲われた部屋
私は朝まで
死んだように眠る
あなたが見えない
この眼は見えない
我ら造りたまいし神
コッペリアの柩
人は踊り疲れた人形
祭壇の羔
機械仕掛けの夢は
どこに向かってゆく
世界の終わりを
予言が告げる
隣人の扉を
兵士たちが叩く
幾千の指が
翼のように
折られ畳まれて
祈りだけが昇る
あなたに会えない
ここでは会えない
我ら救いたまえる神
コッペリアの柩
流れる涙はもう枯れ果て
血に飢えた孤独
死は天使の和毛の
匂いをさせて舞う
それでも触れたい
この手で掴みたい
我ら護る唯一の愛
コッペリアの鼓動
生きることは痛みを知ること
脱ぎ捨てた靴を
もう一度踏みならし
迷わず歩き出す
コッペリアの柩
暗闇から目覚める光よ
祭壇の羔
螺旋の途切れた夢は
どこに向かってゆく
7.月の中の少女 (instrument)
8.星月夜
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
どんなにあなたを
抱きしめても
いつかはふたりが
離れる時がくる
迷子のように
それがこわい
星が音を
たてて墜ちる
秘やかな
こんな夜は
誰も天使に
なれないけど
心は空より
息づいているわ
ただひとつの
翳りもなく
あなたが目を
閉じたあとも
そばにいるわ
いつまでも
もうわたしが
帰る場所は
あなたしか
ないのだから
いつしか涙は
悲しみよりも
愛するために
あふれてゆくでしょう
あなたを知る
それまでより
わたしが目を
閉じるときは
ただこの手を
握ってて
もうわたしが
帰る場所は
あなたしか
ないのだから
木々のみどり
風のかおり
わたしたちが
流れてく
時をこえて
夢をこえて
そばにいるわ
いつまでも
9.共月亭で逢いましょう
作詞:ARIKA TAKARANO
作曲:MIKIYA KATAKURA
菩提樹の 並木越えて
星座の舟が 行くわ
夏空の 掟のように
この一年を わたしはひとり
想い出す この四阿
あなたの腕で 待った
お月様 どこか降りて
さよならだけが 浮かんでいたわ
きっと 来ると
あなた呼べば
星が コトリ
今宵 今宵 晴れわたる
共月亭で逢いましょう
ひとつ ひとつ 想い出を
宇宙(そら)に放し数えましょう
天界は 祝いの美酒
星の祭りに 唄う
月光を 汲んだグラス
わたしにだけは 冷たく凍みる
とおい 国で
あなた同じ
光に ユラリ
今宵 今宵 賑わいの
共月亭で逢いましょう
空が 空が 胸めがけ
墜ちて壊れゆくまえに
今宵 今宵 恋ケ淵
共月亭で逢いましょう
明日は 明日は 消えてゆく
真夏の夜の夢でしょう
10.Feliciter
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
花束にこぼれて落ちる
ナミダは空の色
この世で目にした穢れを
すべて流すように
ひとり手懐けた
寂しさの小鳥
窓を越えて行く
おめでとう 心から
あなたへと 送りたい
昨日まで探しつづけてきた
幸せを抱く迷子の天使
このとき
あなたのベールに 降りるの
いくつもの夜に語った
コトバは月の色
散ってはまた咲く夢を
なだめては眠った
喜び哀しみ
分け合って人は
優しさを知るの
ありがとう 心から
あなたへと 伝えたい
どんな日もそばにいてくれた
宝石箱の想い出のなか
何よりも
あなたの笑顔が うれしい
恋した季節の
切なさも
胸に忘れないでいて
おめでとう 心から
あなたへと 歌うから
今日からは大切な人の
微笑み護る女神となって
いつまでも
変わらぬあなたで いてほしい
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